配給作品一覧
Squaring the Circle (The Story of Hipgnosis)
ヒプノシス レコードジャケットの美学
アントン・コービン監督 初の長編ドキュメンタリー
ロックに革命を起こした伝説のデザイン集団の物語
【概要】
1968年、ストーム・トーガソンとオーブリー・“ポー”・パウエルが共同で創立したイギリスのデザイン・アート集団「ヒプノシス」は、ケンブリッジでピンク・フロイドのメンバーと出会い、ジャケットやツアーポスターの制作を開始。後にピーター・クリストファーソンが加わり、1970年代を中心に、ピンク・フロイド、ジェネシス、レッド・ツェッペリン、ポール・マッカートニーら数々のアーティストのカバーアートを創作した。斬新・奇抜・洗練…あらゆる言葉が相応しいその独創的なデザインは、それまで宣伝用パッケージにすぎなかったアルバム・ジャケットを芸術の域に高めた。
本作では、ストームとオーブリーが語る制作秘話、ふたりを支えたカメラマンやグラフィックのスタッフ、レジェンドアーティストら本人による証言はもちろん、貴重なインタビューや写真・映像の数々が映し出される。
半世紀の時を超え、今なお音楽史に燦然と輝く彼らのジャケットデザインの真相に迫るドキュメンタリー。
¡Viva Maestro!
ビバ・マエストロ!指揮者ドゥダメルの挑戦
来たる2026年、ラテン系指揮者で初のニューヨーク・フィルハーモニックの音楽監督就任が決定しているグスターボ・ドゥダメル
21世紀のクラシック界に彗星のごとく登場し全世界を魅了するベネズエラの若き指揮者の栄光と苦悩そして挑戦に密着したドキュメンタリー
【あらすじ】
1981年1月26日ベネズエラに生まれ、10代の頃から天才指揮者として名だたる巨匠たちの薫陶を受けてきたドゥダメルは、2004年「第1回グスタフ・マーラー国際指揮者コンクール」優勝、2009年に弱冠28歳で名門ロサンゼルス・フィルハーモニックの音楽監督に就任。たちまちクラシック界で注目を集めると共に、『TIME』誌が選ぶ「世界で最も影響力のある100人」にも選出。特に母国の若手音楽家から成るシモン・ボリバル・ユースオーケストラを率いたレナード・バーンスタイン作「マンボ」のエネルギーに満ちた演奏動画は世界中で拡散され大ブレイク、2016年にはコールドプレイ、ビヨンセ、ブルーノ・マーズと共にスーパーボウルのハーフタイムショウに出演。本作は、そんなジャンルの枠を超えスターへの階段を駆け上がり続ける、クラシック界の新ヒーローの物語―――となるはずであった。
しかし撮影中に予想外の事態が起こる。2017年、政治的混迷を極めるベネズエラの反政府デモに参加した未来ある若き音楽家が殺害された事態を受け、ドゥダメルは現マドゥロ政権への訴えをNYタイムズ紙に展開。大統領府と対立したことで、シモン・ボリバル響とのツアーが中止にさせられ、祖国へ足を踏み入れることすらも禁じられてしまう。さらに、ベネズエラを代表する音楽教育プログラム「エル・システマ」の責任者の立場からそれまで政治的に沈黙していたドゥダメルは、世論の批判にも同時にさらされることになる。ベネズエラで撮影ができなくなった映画製作クルーも路線変更を余儀なくされた。しかし、祖国の子供達と交わした「いつか必ずまた指揮をしに行く」という約束を守る為、ドゥダメルは世界各地でタクトで語り続ける。その最中、2018年3月24日に偉大なる恩師、「エル・システマ」創設者マエストロ・ホセ・アントニオ・アブレウが死去。その志を未来へと受け継ぐ使命を果たすべく、ドゥダメルの挑戦は続く。
What The Hell Happened To Blood, Sweat & Tears?
ブラッド・スウェット&ティアーズに何が起こったのか?
全米No.1バンドはなぜ失墜したのか?
決行された“鉄のカーテン”ツアー、分断のアメリカにおけるキャンセル・カルチャー、国務省の陰謀
冷戦から半世紀以上の時を経て発見されたツアー映像で紐解く、ロック史を超えた歴史的音楽サスペンス・ドキュメンタリー
【あらすじ】
1960年代後半から1970年代。シカゴ、チェイスなど、ホーンセクションを従えるバンドが一世を風靡することになるその時代、ブラスロックというジャンルを打ち立てたブラッド・スウェット&ティアーズは、ホーン入りバンドブームの先駆者となった。
しかし彼らはこの年、アメリカ国務省が主催した、東欧諸国を回る“鉄のカーテンツアー”の直後、二分化した大衆の社会騒乱に巻き込まれ、人気絶頂から転落していく――。
国務省側が手配した撮影スタッフもバンドに同行したが、このドキュメンタリーは未完のまま隠され、陽の目を見ることはなかった。しかしそれらが奇跡的に発掘され、半世紀以上の時を経て初公開となった。鉄のカーテンの向こう側で撮影された門外不出のフィルム、当時の関係者から提供された数多くの写真、ニクソンとヘンリー・キッシンジャー国務長官との間のホワイトハウスでのやり取りを含むアメリカ政府文書、ユーゴスラビアとドイツのテレビ局向けのパフォーマンス映像、ルーマニアの秘密警察からのファイル――これまで明らかになっていなかった数多の機密データが、不都合な歴史の真実をあぶり出す。
OSCAR PETERSON Black + White
オスカー・ピーターソン
差別との闘いと“自由への讃歌”、三度の離婚と家族愛、病との闘いと復活来たる2025年に生誕100周年を迎える鍵盤の皇帝、その波乱万丈の人生と音楽
【あらすじ】
ジャズ史上最も偉大で人気のピアニストのひとり、オスカー・ピーターソン。陽気なキャラクター、聴く者をハッピーにするリズムとハーモニー、そして誰もが憧れる明快で魅力的な音質と超絶技巧――かのルイ・アームストロングは彼のことを「4本の手を持つ男」と呼んだという。日本でも『プリーズ・リクエスト』をはじめとする名盤の数々で知られ、来日公演も果たし、ジャズファンもアーティストも誰もがその影響と愛を口にする。
本作では、差別との闘い、病気と復活までの困難な道のり、家族愛について、多数の本人インタビューを収録。そして、そんなオスカー・ピーターソンが多くの人々にリスペクトされ続けるその理由を、実際にジャンルと世代を超えて彼の音楽に影響を受けてきたスター・ミュージシャンたち――ビリー・ジョエル、クインシー・ジョーンズ、ラムゼイ・ルイス、ハービー・ハンコック、ブランフォード・マルサリス、ジョン・バティステら が語り尽す。さらに妻・娘ら家族による、その旅立ちまで晩年の貴重な証言も収録され、彼の知られざる強さ、魅力に迫ります。
Carole King Home Again
キャロル・キング ホーム・アゲイン
稀代のシンガーソングライター、キャロル・キングの成功までの道のり
そして“故郷への恩返し”と語る伝説のセントラルパーク・ライブの模様を収めた貴重なコンサートフィルム・ドキュメンタリー
【あらすじ】
1973年5月26日土曜日、ニューヨークのセントラルパーク内のグレートローン。故郷のブルックリンから約20kmほどしか離れていないこの場所で、シンガーソングライターのキャロル・キングは無料の凱旋コンサートを行った。当時商業的に大成功を収めていたにもかかわらずほとんどライブパフォーマンスを行っていなかったキャロルの凱旋に、推定10万人以上のファンが詰めかけ、伝説のセントラル・パーク・コンサートの先駆けとなったのである。
1971年2月にリリースされたアルバム『つづれおり/Tapestry』は、この2年の間に史上最高のセールスを記録。そしてコンサートの翌月には新作『ファンタジー/Fantasy』のリリースを控えていた。“ゴフィン&キング”のコンビネーションによる大ヒットから、全曲自作の意欲作へと展開してゆく、全盛期の彼女を収めた貴重な映像である。この模様は彼女のプロデューサー、ルー・アドラーにより16mmフィルムで撮影されており、50年の間未公開となっていたものだ。当日のバックスステージや会場の様子、本人や関係者のインタビューも収録している。
I Called Him MORGAN
私が殺したリー・モーガン
今なお深く傷を遺す“ジャズ史上最悪の悲劇" リー・モーガン事件
愛と哀しみの真実に迫る話題のドキュメンタリー映画
【あらすじ】
若干18歳で名門ブルーノート・レコードからデビューするなど稀なる才能で駆け上がったスターダム。ドラッグでの転落。二人三脚で救い出したひと回り歳上の女性ヘレンとの出会い。そんな二人に対するミュージシャン仲間からの温かい眼差し、評価。その関係を崩壊させる新恋人の登場と凶行。銃と運命の引き金を引いた内縁の妻ヘレン・モーガンが最晩年に残した唯一の肉声インタビュー「The Lady Who Shot Lee Morgan」を原材に、友人や関係者たちの証言を加え、リーとヘレンをとりまく周囲の人間模様と変化が徐々に明らかになる。